親父は酒飲みです。
酒豪ではないですし、酒乱でもないですが、毎日晩酌します。
親父が酒をよく飲むようになったのは単身赴任を始めた時なので
私が中学生になるころでしょうか。親父は単身赴任や出張で各地
を転々としていました。月曜日から金曜日までは赴任先、土日は
車で実家に帰ってくるという感じでした。一人で暮らすようになって
やはり寂しかったのでしょう、夜酒を飲むようになりました。最初は
ビールだけだったのですが、そのうちにウイスキーを飲むように
なりました。毎日2フィンガー(古い?)で2杯はいってましたね。
役職もどんどん上がっていっているのでそれなりのプレッシャー
もあったことでしょう。年に1回ぐらい親父の住んでいるアパート
に掃除に行ったりしました。何の家具もない殺風景な部屋に、
大量に詰まれた本とウィスキーがあったのを今でも覚えています。
そんな親父の姿を見て私もいつしかウィスキーを飲むようになりました。
ロックミュージシャンにあこがれていた自分がバーボンやウィスキー
に憧れていましたが、一番は親父の影響だと思います。週末に
食後に一人自分の部屋でウィスキーを飲みながら読書をしている
親父を見て、かっこいいな、っと少なからず思っていました。
自分も一人前になって早くウィスキーが似合う大人になりたいと
思ったものです。
そんな自分も社会人になって、無理やり家を出て、一人暮らしを
始めました。最初は意気揚々と一人の時間を満喫していました。
夜も一人でビール&ウィスキーのコースを親父を真似てやって
いました。あの時飲んでいたのはジャックダニエルだったかな?
白角だったかな?一著前にバカラのグラスを買って一人、
かっこつけた気分に浸っていました。
仕事も慣れて、段々と忙しくなってくると、深夜の晩酌も増えて
きました。ストレス解消を酒に任せるというのもなんとなくかっこつけて
やっていたところがあったと思います。一心不乱に働いて帰って
ふと気がつくと一人で飲んでいることに非常に寂しさを感じました。
落ち着いて一人の時間を満喫できるけど、酒が回るとなぜか一人が
非常に寂しくなりました。親父もこんな気分だったのかと考えさせ
られました。一人で家族を支えるために都心を離れ、大好きな読書
をしながらウィスキーを片手にしんみりしていたのかな。
そんな親父も今は引退しましたが、隠居生活もそこそこに、
新たなステージに向けて勉強に励んできます。
その人生に対するアグレッシブさというか、前向きな姿勢には
いつも驚かされます。今でもよき父親であり、助言者であり、
飲み友達です。
最近、響12年というウィスキーが発売されたそうです。
響と言えばウィスキーの古参、王道ですが、12年物という
かなり貴重なウィスキーです。親父はいつも謙虚に価格的にも
控えめなウィスキーを飲んでいますが、時には贅沢を味わって
もらって、あの頃とはまた違ったマイルドなウィスキーを飲んでもらいたい。
そんな親父に響12年を贈りたい。
今更ありがとうは照れくさい。
一緒にあの頃を、今を語り合いながら、グラスを酌み交わせたら
ほんの少しだけ恩返しができるかな。